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HOUSE IN MIHAMA/美浜の住宅

 

名古屋の中心街から1時間程度で行くことのできる美浜町に位置する夫婦二人のための住宅。都心に暮らしていた夫婦が見つけた、閑静で緑豊かな住環境に計画された終の住処である。小さな平屋の住宅であるので、自ずと構成要素も少ないが、この住宅では、とりわけ、2つの開口が主要な要素である。

 

一つは、眺望のための窓。

北側に豊かな緑地が隣接することを踏まえ、南側には、庭に向けた幅8.5mの掃き出し窓、北側には、壁全長と同じ12mの長さのある横連窓を設けた。そして、室内においても、部屋と部屋の間に目線の高さに窓を設けることで、南の庭から北の緑まで視線が抜け、風景と一体となった内部空間に身をおくことができる。

 

もう一つは、光を間接的に取り込むための開口である。

周辺の道路に面にする壁に設けた垂直スリット窓、玄関の足元に設けた水平スリット窓、そして、屋根を突き抜けたL型の高窓は、壁や床に反射する光によって、居室を柔らかい光に満たされた居場所としている。

 

これらの窓は、屋外という対象を「見るための窓」と、屋外を「見せない窓」という、まったく対照的なものだ。しかし、この組合せが、とりとめの無いものにならないために、どちらの窓も、なにかでえぐり取ったようなヴォイド感、つまり空間的な奥行きを持つような作りとした。この窓のヴォイド感が、内外の境界に厚みを生み出すだけでなく、居室間に連続性をもたらし、この住宅の空間をも一つに束ねている。

 

所  在  地|愛知県知多市
主要用途|住宅

設計監理|吉村昭範
構造設計|藤尾篤/藤尾篤建築構造設計事務所

施  工|沢田建設

PHOTO |Tololo Studio

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