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名古屋大学オークマ工作機械工学館

名古屋大学内における工作機械メーカー寄付金による実験、研究、教育施設の計画である。

 キャンパスは南北通る山手グリーンロードで東西に分断されているが、ノーベル賞受賞者の記念建築物を結ぶノーベルロードが東西に通る。この施設はこれら二つの通りの交差点に位置し、地下鉄駅出入口にも面する。そこでキャンパス全体の広場となり、パスとなるような建築をめざした。

 周囲は将来計画を含めると高層棟で囲まれる。この施設は4 階建てで想定されていたが、南北の高低差を活かすことで地下1 階地上2 階としてヴォリュームを抑え、広場となるルーフガーデンを設けた。屋上が低くなることで、ストリートとルーフガーデンの距離が近くなり、屋上へは外階段で直接アクセスできる。ノーベルロードに面した南面は大きな庇とガラス面により人々を自然と引き込み、建物内を通って西側の新7 号棟へ通り抜けられる。高低差の活用により、講堂では少ない残土処分で階段座席ができ、安定した音環境を実現した。実験室では低いレベルでの機器の搬入と上階からの見学を両立させている。

 台形の敷地形状は講堂の平面形にも活かされ、ステージへと集中する視線をつくっている。低層に抑えるため建築面積は大きくなったが、屋根を細かく分割し、ハイサイド窓を取ることで建物中心部へも光が差し込む。スラブの段差はルーフガーデンではイベント時のステージともなる。

 この建築が二つの通りのヒンジとなり、立体的な交流広場となることを願う。

所  在  地|愛知県名古屋市千種区不老町
主要用途|講堂

設計監理|基本設計:吉村昭範(D.I.G Architects)諸江一紀(諸江一紀建築設計事務所)佐々木勝敏(佐々木勝敏建築設計事務所)

     実施設計:東畑建築事務所
構造設計|寺戸巽巳/寺戸巽巳建築構造設計事務所

施  工|松井建設

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